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「うちに来る時は、連絡をしてよ。んで、たまにはビールくらい買ってこい。」
伶子は、啓太が家にくるたびに言う。
しかし、啓太はいつも突然やってきて、差し入れを持ってきたことはない。
「ごめん。今度から、なみちゃんち行く時は連絡する!」
「給料が出たら、なみちゃんに一番にお礼するから!」
「今度、旅に出たら、お土産を買ってくるから!」
と言い、一度も果たされたことはない。
「分かった、いつの日か楽しみにしてるよ。」
伶子は、ため息をつきながら、そう返事した。
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片付けも、もちろん伶子が1人でする。啓太が手伝ったことなど、1度もない。
伶子は作りながら片付けていくので、食事で使った食器を洗う程度だ。だから、啓太にしてもらいたいとか、あまり思ったことはない。
その頃、啓太はたいてい風呂に入るか、ビール片手にテレビを観てるかである。
今日は、後者だった。
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