第一話 押しかけ少女

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新聞勧誘でも酔っ払いでもなければ山本さんでもない……この少女はなんだ? 初対面にも関わらず、ずいっと無い胸を張っている。 俺はさりげなく少女を観察した。 全体的に細い体つきをしていて、身長は普通の女の子ってところだ。年齢は……俺と同じくらいだ、17か18くらいだろう。 さりげなく茶色に染められたショートボブは強気そうな大きな吊り目に良く似合う 。 ツンとした形のいい鼻をしていて、桃色の薄い唇は不敵そうに両端がつり上がっている。 ふぅむ……やはり心当たりの無い子だ…… 「真之さん」 少女が唐突に口を開いた。ていうかなんで俺の名前知ってるの? 「今日から世話になるぞ」 彼女は一方的に宣告すると俺を押しのけて部屋に入っていった。 「は?ちょっと待て!」 制止する俺の手を振り切って。
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