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「いや?名乗らないとこれから不便だろ?」
心底不思議そうな顔で首を傾げて少女は言った。
「いやいやなにも問題は生じないから。早く帰れよ」
「これから世話になると言ったろう?」
なんとも不機嫌そうな顔で反論する少女だが、そもそもこいつに世話になられるつもりはない。
「ああ、分かった。真之さんは年頃の少年と少女が一つ屋根の下二人きりで暮らすというのが恥ずかしいのだな?私は気にしないぞ」
「お前が気にするとか気にしないとかそういうのはどーでもいいよ。なんで俺がお前を家におかなきゃならんの?」
そう反論するとこの少女は、お前なに言っちゃってんの?って顔つきで俺を見てきた。
「一緒に暮らそうって約束下じゃないか?」
「いつ」
「前世」
「帰れ」
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