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「ねぇねぇ。さっきの、何だったの?」 始業式が終わり、萌に近づき聞いてみる。 「ナナってば、立ったまま寝てたの?」 萌が冗談めかして言う。 「ちっがうよ。後ろにいたから見えなかったのッ」 あたしは、口を尖らせて否定した。 「新任挨拶でさ、めっちゃイケメン先生が、い・た・の♪新米教師だって」 両手で口を隠しながら、ウフフッと萌は笑った。 顔が緩みすぎている。 これは、相当なイケメンらしい。 「あたし、あの人なら担任でも許してあげる」 いつの間にか隣にきていた弥生がそう言った。 「えッ??新米なのに!?ベテランはどうしたッ!!?」 教室での話からの変わりぶりに、あたしは驚いて聞き返した。
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