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―ピー……ガガッ
『報告!!現在市街地にて交戦中!!目標は三名、どれもレベル3と確認。腕には蛇の紋章!至急、増援を求める!!繰り返す……』
無人の指令室に通信機から声が漏れる。
若い男は通信機を手に取ると、口端を吊り上げた。
「えー、こちら“ウロボロス”。増援なんか来ませーん。残念でした♪」
男は通信機を置くと、窓の外を眺めた。
「ヒュー♪やってるやってる」
街の所々からは黒煙が上がり、市民が逃げ惑っているのが確認できた。
「街の人達には悪いと思ってるけど……今だけ勘弁な?」
男は呟き、窓から目を逸らした。
指令官が座り、様々な指令を出すであろう椅子に腰掛ける。
座り心地は悪くなく、それが逆に不快だった。
「さてと……」
男はパチンと指を鳴らす。
次の瞬間、部屋には6人の男女が初めからいたかのように立っていた。
「さぁ君達、政府の“捕食”を始めるよ」
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