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「僕じゃマスターの足元にも及びませんよ」
言いながら鍋のソレをグラスに注ぎ、最後にシナモンスティックを添える。
「マスターにはずっと、僕の憧れと目標でいてもらわなきゃ困りますから」
コン、とグラスを差し出すと中で深紅が優しく揺れた。
「…これは?」
「紅(くれない)ってホットカクテルです。今日みたいに寒い日には合いますし…
シナモンの香りにリラックス効果がありますから」
え?
と言う表情の真由美さんを見ながら、お見通しですよと言う顔で
「落ち着きますよ?」
そう優しく続けた。
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