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「そんな事が……でお母様、あたしはなにをすればいいの?」
現場に着くと、飛鳥は帝に先の襲撃事件の事を話した。帝の問いはそれを受けてである。
「ユエちゃんの話じゃ襲撃犯は座骨を折られていて、そうそう動ける状態じゃなかった筈。でも、次の瞬間には居なかった。話の限りでは共犯はいない。つまり、襲撃犯は回復魔法を使ったのよ。骨折を一瞬で治すぐらい強力な」
飛鳥の話を聞きながら、帝には飛鳥が何をしようとしているのかがわかってきた。
「お母様、ひょっとして……」
「強力な魔法を施行すれば痕跡が生じる。更に、魔法の波長は一人一人違う。帝ちゃん、波長を探るためにアンテナになってね」
そう言うと、飛鳥は帝に手を置く。帝は妖狐姿になり、力を集中させる。
――暫くの後――
「そう……あの子が犯人なのね……」
飛鳥がそう言って手を離した。
「お母様、一体誰が?」
既に妖狐から戻っていた帝が問い掛ける。
「それはね――――」
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