文化祭、そして黒い影

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飛鳥は言葉を濁した。 「お母様?」 問い掛け返す帝に、人差し指を立てた飛鳥が悪戯に笑う。 「誰? 其処に隠れているのは」 その視線が、飛鳥の後ろに向いた。帝もつられて後ろを見やる。 その先で、誰かが動いて隠れたのが見えた。 「お待ちなさい。ライン君」 帝が追いかけようとしたことを制して、飛鳥が言い放つ。すると、気まずそうな顔付きで、ラインと呼ばれた青年が出てきた。 「どこから聞いていたのかしらね」 静かに飛鳥が問い掛ける。
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