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あの、あの黒い点々は見覚えがある。お父様がお帰りになるときによく飛んできていた…ヘリの軍団だ。
「どうしようかしら…、このままでは確実にお父様に見つかってしまいます。」
FBIに捜索される犯人とはこんなにも不安な気持ちだったのだろうか、私は知らなかった。
自業自得とはいえ、この逃走劇は余りに心的ダメージが強すぎる。
路地裏にはゴミ箱に収まりきらない、ゴミが散乱していて人がまるまるひとり隠れることが出来る。
「う…背に腹は変えられませんわね。やだなぁ」
ゴミの山に足を踏み入れた時に、ムニュと何かを踏んだような感触と、悲鳴。
いえ、悲鳴は私が発してしまったのですが。
「ごめんね。驚かすつもりはなかったんだが、いきなり足を踏み込むとはね。僕も驚きだよ、君も同業者かな?
悪いがここは僕が先に使ってるから君は屋上から見張るといいよ。」
こっちに息をつかせないスピードで喋り出す男(声だけで判断しているが)
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