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「僕は黒葛原だ。黒葛原探偵事務所の探偵ってとこかな?近所の皆さんは便利屋と認識しているようだけどね。
君はどこの探偵さん?お嬢様探偵とは珍しいね、綺麗な服のままでゴミ山に踏み入れようなんて大したプロ意識だよ。
ああ、僕は君を馬鹿にしている訳じゃないからね、探偵として立派だよと君を評価しているんだ。」
ベラベラと余計な事を話す黒葛原さんの話もほとんど入ってこない。
どうして、こんなところに黒葛原さんが居るのか。
どうして、ヒールで彼の足を踏んでしまったのに痛がりもしないのか
どうして、一度もゴミ山から顔を出さないのに私がドレス姿でゴミ山に入ろうとしたのかが分かるのか、疑問だけが私の中に渦巻く。
「大丈夫?それとも僕の事が信用ならないから黙ってるの?
ああ、君は僕を誤解してるよ、これは田沼さんのご主人からの依頼で奥さんの浮気調査をしているだけなんだよ。
断じて、僕はホームレスじゃないからね。」
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