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「いえ、別に貴方がホームレスなんて思っておりません。」
「ただ…何故此処に陣取っていらっしゃるのかなと思っただけです。」
しどろもどろになりながらやっとの事で気になっていた事を質問できた。
「そりゃ簡単な事だよ、僕が高所恐怖症だからだよ。」
彼はやっとゴミ山から顔を出して笑いかけた。
髪にはバナナの皮が張り付いているし、頬は黒く汚れている。
「君は……目白さんのお嬢様か。そうか、そうか、今日、家を抜け出したのか。根元の爺様は元気にやってた?」
「ええ、毎日太極拳の修行も欠かしていませんわ。
その根元が私の家出を手伝ってくれましたの。」
根元は私の家に仕える執事で私にとってはおじいちゃんのような存在でした。
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