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たとえ目が見えたとしても、姉と一緒に同じ景色が見えないのなら意味がない。
もう私は絶対に立ち直れない。ユイはそう感じていた、信じてもいた。その時が訪れるまでは。
「あれ、もしかして眼帯ちゃん?」
突然、ユイの後ろから誰かが話しかけてきた。ユイは必死になって手で左目を擦り、涙を拭う。
「ここに来るの、久しぶりっすよね」
「眼帯って……。いきなり失礼な呼び方ですね。私に何かご用ですか?」
泣いたことで目が腫れてしまい、それを人に見せたくないユイは後ろを向かずに返事をした。
「確かに眼帯ちゃんは失礼でした。じゃあ、何て呼べば良いすか?君の名前を僕に教えて下さい」
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