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「はい、どうぞ」
声をかけて入室を促すと。
入ってきたのは、上靴のラインで判断すると……3年の女子。
「失礼します」
高めの可愛らしい声。
ほっそりとした体つき。
ショートボブの黒髪が揺れている。
人懐っこそうな笑顔を振りまいてやってきた女子。
俺の縄張りを興味深そうにきょろきょろと見回していた。
「あの~、先生の進学講習を受けたいんですけど、まだ間に合いますか?」
今頃来るってことは……日本史・世界史から政経に受験科目を変更するのか?
正直、ここの日本史・世界史の教員はやる気がないから、確かに政経を選ぶのは正解だ。
「ああ、いいよ。
この紙に名前とクラスと志望校書いといて」
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