モデルになってください!

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紙を渡したが、どうやら筆記用具がなかったらしい。 「すみません、何か書くものを貸してください」 「OK、これでいいか?」 俺が貸したのは、前任校の生徒からお土産にもらったシャープペンだった。 「ありがとうございます。 このシャープ、可愛いですね」 ちゃんとお礼が言えて、人を喜ばせようとする言葉をかけられる。 さすが、地域で一番の進学校だけあって、生徒の質がいい。 前任校は……やめておこう。 素朴でやんちゃでいい奴らだったよな……。 「生徒からのお土産なんだ。 俺には似合わないけど」 そう答えると、女生徒がにっこりと笑った。 そして必要事項を記入し終わると俺の顔をじっと見ている。 ……なんとなく、嫌な予感がした。
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