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「嘘でしょ……」
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朝のST(shorttime)時、 如月 沙希は信じられない光景を目の当たりにしていた。
教卓の前に立つ、女性教師は少々動揺しつつ、隣にいる人物の紹介をする。
「え、えーっ、 今日から1ヶ月間、 この竜城学園に交換留学として編入してきた御堂 慎君です。 特例ではありますが、急遽決定してしまったので……み、みなさん仲良くしてあげてください──み、御堂君。 皆さんに自己紹介をお願いします」
教師は早口でそう伝えると、 慎に自己紹介するよう促す。
「……あ、はい。急遽、神前学園から留学となった御堂 慎で……す。 これからよろしくお願いしま……す」
慎は顔を引きつらせながら、途切れ途切れの自己紹介をする。
何故こんなにも緊張しているのか、その理由は言わずもがな一つしかない。
それは──
「女子校に男が……一体何で?」
「しかも『御堂』って、 ウチの学園の校長と同じ名字……」
「よく見ると少しかっこいいかも……紅一点ならぬ黒一点ね」
「しかも"特例"ってことはもう一人はいるんじゃないの? "特別"なら分かるけど……」
ざわざわと、 各々(おのおの)に喋りだす女子たち。
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