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「……あっ」
先生に自己紹介を促され、何とか当たり障りのない言葉を並べた慎だったが、次にどうすればいいのか分からず茫然としていたら、 一人の女子と目が合った。
輝くような銀色の髪、それを無造作に腰まで伸ばしており、乱れなどは見られないが整えているわけでもない。
少しつり上がった赤い目に、 整った顔立ち。
髪型の統一性を差し引いても圧倒的な美貌を称えた少女がそこにはいた。
名を如月 沙希。 他人でも何でもなく、 同門で同級生で同い年の慎の友達?である。
何故彼女がここに、と言いたかったが、それよりも先に違う言葉が口から出ていた。
「何で沙希がここに……」
呟くように言う慎だったが、その声に反応してピクッと女性教諭の耳が動いた。
そして丁度良いといわんばかりに、沙希のいる方向へと意識を移す。
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