チペリとイオン

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「うわ!?」 僕は起き上がった。 いつの間にか寝ていたらしい。 しかしそこは真っ暗な世界。 死の世界のままだった。 僕のお腹には白猫がすまして座っていた。 「思い出した?」 「う、うん。僕の名前はチペリ」 「チペリ。よろしくね」 イオンはぴょんと僕のお腹から降りた。 今の幻はイオンが見せたものなのだろうか? 僕は立ち上がりながらそんなことを考えていた。 やはりイオンは何者なのか想像もつかない。 イオンは無表情で僕を見上げていた。 「さて、行こうか」 「どこへ?」 「出発の場所さ、チペリ。ついてきて」 「うん」 僕はイオンについていった。 イオンは僕のペースに合わせて歩いてくれた。
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