さてもさて

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「おお、勇者よ。死んでしまうとは何事だ」 すいません。 だって僕まだ弱いもん。 僕は『また』全滅した。 またと言ったけど『またまた』かも知れない。 もしかしたら『またまたまた』かも? 死んでしまった数なんて忘れてしまった。 死んだ数だけ王様の前に来てはそんなことを言われる。 モンスターとかと戦って、死んだと思ったら、次に気がついた時は王様の前にいるんだ。 「おお、勇者よ。死んでしまうとは何事だ」 王宮の謁見の間で豪華な玉座に座る王様。 白髭を生やして立派な王冠を被る王様は毎回けろりとした顔でそんなことを言う。 まるでいたずらをした子供に呆れ返る親のように。 毎回同じ顔をして僕達に言う。 僕達というのは僕の仲間だ。 魔法を使う人や腕っ節が良い人、回復出来る人が揃っている。 人は僕達を勇者様御一行と呼ぶ。 なにせ魔王を倒すために旅をしているんだからね。 勇者様と言う割には武器とか宿でお金とるけど。 少しくらいまけてくれてもいいじゃん。 ところで王様は知らないのかな? 僕達は何回も死んでいるんだよ。 王様は初めて失敗したみたいに言うけど。
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