さてもさて

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ある日、僕達はいつもどおり旅を続けていた。 いつもより割と進むことができた。 だけど。 「勇者!」 「!?」 僕は死んでしまった。 即死だった。 そりゃいきなり会心の一撃なんて卑怯だよ。 仲間を残して僕は死んでしまった。 詳しく言うなら仲間が僕を殺したモンスターを倒したところで死んでしまった。 仲間は泣き叫んでいた。 何度も体験した死ぬって感触。 それは最初は痛い、苦しいけどそれは一瞬。 後はズブズブと何か黒いものに体が飲み込まれる。 底無し沼に飲まれるみたいに。 後は気がつくのを待つだけ。 黒い世界で寝ていたかと思うと気付けば王様が目の前にいる。 今回もそうだと思う。 いつもそれの繰り返しだから。 僕は仲間のことを考えながら黒いなにかに飲まれて行った。 ズブズブと……。
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