真っ暗闇の白い蝋燭

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黒い闇。 まわりは真っ暗。 と思ったら僕は目を閉じていた。 「君」 誰かの声がした。 王様かな? 僕は目を開けてみた。 そこには一匹の真っ黒な猫がいた。 王様ではなかった。 「……君は?」 「僕は猫だよ」 猫はそう言った。 僕は首を傾げた。 そりゃ猫は猫だよね? 気がつけばその猫のまわりが蝋燭の火でも灯っているように明るかった。 それ以外は真っ暗、こりゃ目をつむっているのとそうかわらない。 猫は無表情で僕を見つめていた。 それ以外には誰もいなかったからこの猫が喋っているにちがいない。 だけど猫は口を動かしてはいない。 そういえばさっきの会話も耳じゃなくて頭に、直接話し掛けられている感じがした。
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