♯00

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私…葉月 梨花(ハヅキ リカ)。 27歳…独身。 桜の便りが届きはじめた3月の終わり…。 8ヶ月付き合ってきた彼と別れた。理由は…。 『健太…?』 『うん?』 『私と…別れてほしいの。』 『えっ?…今、なんて…。』 『別れよう?』 『梨花…それ…って…。』 『本気。』 『ちょっ…それは…。』 『ごめん。』 『なんで?理由は?』 『うん…気持ちが…無くなっちゃって…。』 『梨花…。』 『ごめん…健太。ごめん。』 愛されて、幸せだったはずなのに…いつからか、私は彼を愛せなくなってしまった。 それは、彼の愛が重く、苦しくなってしまったから…。 この気持ち、何度目だろう。 愛される恋をして、知った“愛の重さ”。 “重い”って、こういうこと。 愛する恋しか出来なかった私は、ある日をきっかけに愛される恋を選び続けてきた。 それが、私に合った恋なんだと決め込んでいたから…。 .
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