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『健太と別れた。』
『え゛…マジ?』
『うん。』
月曜日の朝、8時30分。
始業前のノンビリした時間、となりの席の同僚と、プライベートな話をしながら仕事の準備をするのが日課。
今日のネタは、もちろん私の恋バナだ。
相手は 小川 愛実(オガワ マナミ)。
私と同じ27歳。同期だけど、この部署では彼女の方が2年先輩。異動で緊張していた私は、彼女のおかけで新しい仕事にも早く慣れることが出来た。
『で…今回は落ち込み度…何パーセント?』
パソコンとにらめっこしていた愛実は、手を休めてこちらを向く。
『う~ん…。20パーセント…かなぁ…。』
『あれまぁ。』
私が発表した数字に、愛実は『ふふっ』と笑ってからオバサンみたいな反応を返して天井を見上げた。
私が彼氏と別れると、愛実はいつもソレを聞く。私の恋愛観や恋愛事情を詳しく知っているゆえに、知っておきたいらしい。
『葉月ちゃん…。今回もダメだったの?』
『はい…。そうなんです。』
今度は愛実の前に座る男性が、心配そうな顔を見せた。
彼は 柳井 真(ヤナイ マコト)。
去年結婚したばかりの新婚さん、31歳。奥様は2つ年上で可愛い。
彼も、私の恋愛歴を知るうちの1人。
私と愛実が、職場で堂々と隠そうともせずに色んなことを話すものだから、すべて把握してるらしい。
彼は、いつも私たちの味方。私と愛実がどんな状況に置かれていても、必ず私たちの肩を持ってくれる優しい先輩だ。
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