♯00

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『僕も大丈夫ですよ。嫁さんの方が飲み会多い会社だし、こういうことは珍しくないんで。』 柳井さんが私に微笑む。 『でも…私の個人的なことだし…。課長も皆さんも気を遣わないでいいですよぉ。』 柳井さんと課長を交互に見ながら、困った顔を向けると、今度はワントーン高い声がとなりから響く。 『じゃぁ決定。私、予約入れまぁす。』 愛実が左手を勢いよく挙げた。 『愛実まで…。ホントにいいんだってばぁ~。落ち込み度20パーセントだって言ったじゃん。』 具体的な数字を再度用いて説得させる。 『それでも、別れっていうのは、自分が思ってる以上にダメージ大きいんだから。ね?』 なぜだか…。愛実の言葉が私の心にジワリと染みた。 今まで考えたことなかったけど。愛実の言うように、私…自分でも気付かないうちにダメージ受けてたのかもしれない。 自分から別れを切り出しといて、何様?って思われるかもしれないけれど…。 『ってことで、金曜日に決まりだね。じゃぁ小川さん、悪いけど予約お願いね~。』 『はい、課長。』 私は、いい職場に恵まれた。いい仲間に恵まれた。 私のこんなちっぽけなプライベートのために、みんなは大切なプライベートの時間を提供してくれるなんて。 『すみません…。ありがとうございます。』 私はこれ以上にないくらいに、体を小さく丸めて恐縮した。 .
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