離別

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――いつかはこの時が来ると、覚悟はしていたつもりだった。 しかし実際にそれに向き合うと、あまりに冷たくて。 あまりに悲しくて。 あまりに寂しくて。 「―――っ!?」 ――非道すぎるではないか。 「ショウ、くん……」 心の中の何かが溢れ出して、もう幼いぼくにはどうにもしようがなかった。 そんな、ぼくの背中を気遣うように優しくさすってくれるキノの優しさに触れ、ぼくは嗚咽を堪えきれずに、幼い子供の様に泣きじゃくった。 その手は、優しく、ぼくの背中をさすり続ける。 このまま、ずっと泣いていれば、その優しさを受け続ける事が出来るんじゃないか。 ――キノは、ずっと僕のそばに居てくれるんじゃないか。 そう思えば思うほど寂しさが増し、嗚咽から背中が震えた。
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