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ルーアンはこの店の常連客で、週に三日は来店する。
けれども、ピーク時には決して来店しない。
店の忙しい時間をわざわざ外し、短い昼休憩にやって来てくれるのだ。
さらには、思いの他店が混んでいたら『自分は平気だから』と言って、後から来た客に順番を譲ってくれるのだ。
ルーアンはカウンター席に座ると、ランチメニューとコーヒーを注文した。
厨房にオーダーを通し、スタッフがコーヒーを入れるのを確認すると、ジュリアはルーアンの席まで歩く。
「いつもありがとうございます」
「ここのコーヒーは格別だからね」
ジュリアがお礼を言うと、ルーアンは笑顔で返した。
三年前、海軍にエリート一家の一人息子がやって来ると、噂が立った。
どんな偉そうな人間が来るのかと思いきや、細身の体に金髪碧眼というモデル並みの外見。
彼が取り締まりをするようになってからは、海賊の検挙率が上がり、海はさらに平和となり、彼の手腕に誰もが感服した。
けれども、その功績に傲ることもなく、低姿勢で勤勉。
気さくで紳士的な性格から、今や彼は、常連客たちから声をかけられるほどの人気者だ。
特に女性たちは、イケメンエリート軍人として、彼を熱い眼差しで見つめていた。
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