リベッタ村

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「……よしっ」 ジュリアは豪快に服を脱ぎ捨て、着替え始めた。 彼女の忙しい一日が始まる。 ***** 港街、リベッタ。 カルニカ島最南端にあるリベッタは、年中気候は温暖で、蜜柑などの柑橘類、そして新鮮な魚介類が特産だ。 決して大きな島ではないのだが、港からの来航者は多い。 『地平線の向こうに、島がある』 それがわかって以来、人々は新しい土地を求め、多くの者が海へ出た。 この五十年で特に発達したのが、リベッタより北西に位置する、造船技術国;ルカンド。そしてリベッタより東に位置する、絶対君主国;シュプリエール。 この二国へ向かう船の燃料補給のため、リベッタには多くの者が訪れ、栄えたのだ。 しかし、いいことばかりではなかった。 運航者が増加し、その船の積み荷を狙う輩――海賊が横行した。 リベッタが船乗りたちの街として有名になったため、港から出航したばかりの船が狙われるようになった。 そこで政府は、対抗策として島の中央部に海軍基地を設置した。 おかげで、島周辺を狙う海賊は激減。 近年は、ルーアン少佐の活躍もあって、リベッタは安全な港として知られるようになった。
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