943人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
優しくて、真面目で、努力家で。その分人一倍傷つきやすい裕翔くん。
君は俺の見てない所で、どれだけ涙を流してきたんだろう。
「大丈夫…?少しは落ち着いた?」
「うん。ありがとう!ごめんね…。」
「謝らないでよ。裕翔くんが泣いてると、俺まで悲しいんだから。」
「じゃあ、俺もう泣かないっ!」
山ちゃんが悲しいのは嫌だもん、なんて言いながらにっこりする裕翔くん。
やっぱり、笑っているほうが可愛いなぁ。なんて。
「ねぇ、裕翔くん。」
「ん?」
腕の中の裕翔くんが可愛過ぎるのがいけないんだからな。
「好きだよ。」
きっとあの日、君の涙を見た日から恋をしていたんだと思う。
もしくは、それよりずっと前から。
「なーんだ。両思いだねっ。」
涙はしょっぱいだけじゃないのだと知った今日。
明日の君はずっと笑っていられますように、と願い事をひとつ。
許されるなら、ずっと傍に居させて。
君がもう泣かないように、俺が守ってあげるから。
end
_
最初のコメントを投稿しよう!