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第二章
仕事も忙しくなり、大きな仕事を任せられるようになってきた。
日常は相変わらず流れている。眠れない夜は減ってきたがつまらない日常は続いている。
夏の始まり。回りは会社に慣れた新社会人が忙しく仕事をこなす。
君は笑顔が増え、たまに失敗もするがちゃんと仕事をこなし戦力として職場を支えていた。
あの日から特に変わったことはなく、しいて言えば仕事のアドバイスを求める回数が増えたくらいだ。
自分の中で変わったのは君のあの時の表情の意味を少し理解できたくらいだ。
同僚からの話だから本当か分からないが、彼女には遠距離の彼氏がいるらしい…。
あの日、携帯を確認している君の姿を思い出す。
着信音が鳴る度に少し緊張したような、堅い表情をしていた。
どうしたの?と心配して聞いた俺の言葉にも君は何でもないよとすぐに笑顔をつくり楽しく会話をしていた。
確か一度だけ着信音が違う時があった…。その時はすぐに消えてその後帰り際まで着信が途絶えていた。
その時の俺はその場の心地よさに気に留めてはいなかったが、今思えば彼氏からの連絡だったのかもしれない…。
今になっては過ぎたことだし、俺が口を出すことでもない。
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