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『おい、ちょっと聞いたか?』
何処にも噂好きの話したがりはいる。
そいつは何故か俺に自分の仕入れた情報を話したがる。
『聞いたかって何の話だか分かんないだろ。今度は何?』
『あの子、彼氏がいるってこの前話したろ。』
あの子とは君の事だ。君の事をそれとなく同僚に聞いたりしてるのがこいつの耳に入り、君の情報を俺に色々と教えてくれていた。
俺は興味がないというスタンスで話を聞いているが、そいつは関係なしに話してくる。
『今、その彼氏とケンカしてるらしいぞ。』
『何でそんな情報持ってんだよ。』
『俺を甘く見るなよ。提供料でコーヒーおごって。』
こいつの情報網は油断できない。仕事からプライベートまで筒抜けな気がするほど何でも知っている。
『ったく。別にそんな情報興味ない。』
嘘だ。君の事を目で追う回数が増えたと同時に考えることも増えていった。
だからこそ君の事は何でも知りたかった。
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