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だが、思わぬ反応があった。目の前の一点が、一定のリズムで青白い光を放ち始めたのだ。ヤツが光だしたのだと理解するまで時間はかからなかった。
自身の放つ青白い光で、ぼんやりと浮かび上がったヤツの姿に、息を飲んだ。
それは、まるで―――。
「まさか……」
ヤツの名を口にしようとしたその瞬間だった。
ヤツの光に誘発されたように、周囲で同じような発光が次々に起きた。
(――なっ!?)
ぎょっとして、首を右に左に動かし、状況を把握する。
一つや二つではない。
数百でもたりない。
数千だろうか。
自分を中心に、光のサークルが完成していた。
地面に落ちた銀河――そんな表現がふさわしい。
全ての光が同調して光り、消え、また光る。
地表のサークルだけではなく、空中にも無数の小さな光が軌跡を描きながら集まってくる。
どこか、地表のそれとは違う、儚さをもつ空中の青白い光は、自分に降ってくる流星のようだった。
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