序章『覚醒者としての日常』

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「壊しやがった…!!」 「幻夢さんは悪くありませんわ、悪いのはこのゲーム!!」 トドメとばかりに八本のナイフを同時に突き刺した。 ゲームの筐体を無惨な姿へと変えた宇野はケラケラ笑いながら黒影に近づく。 (こえぇ!!やっぱこんなのと同室なんてどうかしてる!!) 「やるか?宇野」 もう説得出来ないと認識したのか戦闘態勢をとる黒影。 「そうですわねぇ…ゲームなんかに浮気しちゃう幻夢さんも罪人ですわ!!」 「ッ!?もう意味がわからん!!俺はお前の事なんてどうとも思ってないからな!」 ゴッ!!と爆音がした。 次の瞬間には部屋の中にある『物』が宙に浮いていた。 それは黒影も例外ではない。 「ふふふっ!一番悪いのはこの瞬間あなたに決まりました!!」 全ての物体が宙に浮く空間で、宇野だけはしっかり床を踏み走り始める。 対して黒影は宙に浮いているため、身動きがとれない状態だ。 筐体を貫いていたナイフを抜き取り、それらを黒影に向けて一気突き立てた。
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