序章『覚醒者としての日常』

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(しまった!!) 黒影は動けないまま、ナイフが突き刺さると思い、覚悟をした。 が、そんな事はなかった。 「様子を見に来たら…とんでもない現場に出くわしたぞ…」 宇野は声がした方を向いていた、そのためナイフは黒影の寸前で止まっている。 こちらを向いていなくてもわかる凄まじい殺気に怯えながら。 「何?」 声の主は天帝、揺らめく金髪でシャツに制服のズボン、上から白いコートを羽織っている。 以前は『九帝』通称『帝』と呼ばれている組織のリーダーを任されていた。 『帝』は夜の学園における世界にて、治安の維持を行う組織。 その実力は確かなもので、並のチームではまともに戦う事もできない。 だがそれも昔の話。 一人の男によって『帝』の力というものは、弱い方向に再認識された。 天帝も『帝』を脱退して、最近は黒影と接触する事が多くなった。 「黒影…大変だな、お疲れ様」 「待てぇ!!なんだ!?俺の人生がこれで終わるみてぇな言い方は!!」 瞬間、キィィィン!!と音がして室内に浮遊していた物体が落下した。 黒影も床に着地し、宇野からナイフを取り上げる。 「あっぶねー…いやここはお礼が先だな、ありがとう天帝」
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