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危機は去った。
少なくとも黒影と天帝の二人はそう思って、完全に気を抜いていた。
「邪魔するんじゃないわよ!!」
宇野は叫ぶと同時に、次なる武器を呼び出した。
それは不気味は発光を繰り返す鞭。
バチバチと音をたて、通過した物をたやすく切断していく。
「もっと危ない武器が出てきやがった…」
「黒影来るぞ!!」
黒影は懐から仮面を取り出し、自身の顔に装着した。
【力の支配】(フォースマスター)、黒影が使用するバッジで、自分自身に関する力を操作する事が出来る。
この能力によって人として有り得ない動きを可能にしている。
「天帝って言うんでしたっけ…?まぁとにかく部外者は去れ!!これは私と幻夢さんの問題よ」
「部外者なのは把握しているが…お前はこのままだと黒影を殺すだろ?」
「殺す?ふふふ、ありえないわ!!ただちょっと話し合いが必要だと思っただけだわ」
ベチンとしなる鞭、だが黒影はそれを上回る速度で回避しながら近づく。
やがて宇野の胸ぐらを掴み、殴りも蹴りもせず、とにかく言いたかった事を言った。
「テメェ明らかに殺す気だっただろうがッ!!」
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