序章『覚醒者としての日常』

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ちなみ現在プレイしている格闘ゲームは、以前プレイしていたものの最新作になっている。 それをわざわざクラスの半数(約十数人)が買ったのだからそれはそれは凄い事だ。 更に補足すれば最新作となった今作では、新システムとして『見切り』が追加されている。 『見切り』とは、相手の攻撃が当たる瞬間にガード入力することにより、空振りを誘発させる事が出来る。 つまり、相手の視点から言えば、空振りによって生まれたスキを次の動作でキャンセル出来ないという恐ろしい事態に陥る。 しかも『見切り』の全体動作は3F、余裕で相手に割り込める。 以上、非常にどうでもいい補足でした。 黒影と鳴神はキャラを選択し終わり、いよいよ対戦が始まる。 もちろん、二人の視線は真剣そのもの。 周りのギャラリーも話を辞め、画面に意識を集中させる。 始まった、そのすぐ後に黒影を呼ぶ声が聞こえてきた。 「幻夢さん、幻夢さーん」 当然無視、今は真剣に戦わなければならない時だ。 「幻夢さん……?」 声の主は背後からゆっくり近づいていく、当たり前だが黒影はそちらを向いていられない。 「幻夢さん」 次はすぐ側、耳の辺りで囁く。 「っしゃあああああ!!」 そして1ラウンド目を鳴神がとった時、惨劇が起こった。
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