序章『覚醒者としての日常』

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鳴神の操作しているゲーム機の画面に『通信が切断されました』と表示された。 「おや…何故」 黒影が操作していたゲーム機が、画面から二つに綺麗にサックリと砕かれていた。 そのまま床に落下し、格ゲーグループは静まり返る。 「すまん鳴神、ここに双葉を超える化け物がいるとは思わなかったぞ」 「幻夢さん」 「ははは」 「やっと話聞いてくれるんですね、よかったーそのゲームのせいで私の話を聞いてくれないから」 確かに化け物であった。 周りのクラスメイトもいささか引いている、『俺達のクラスの女子は何か違うよな』という具合に。 しかし気になるのは破壊した手段だ、道具は使わず素手によってたやすく砕かれている。 強靭な腕力の持ち主だろう。 「それで…、俺に用とはなんだ?」 「ただ顔を見て、話がしたかっただけですわ」 「話したかった…だと!?じゃあゲーム機壊す必要はねーだろ!!宇野!!」 宇野碧、白髪ツインテールの上品な口調、風貌をした女子、ここ最近で急に黒影に近づくようになった。 そして黒影は宇野が苦手だ、それは黒影だけが知る彼女の恐怖の一面を見た事があるからだ。
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