序章『覚醒者としての日常』

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「まぁいいや、話は聞くからとりあえずあっち行くぞ、ここじゃ周りに迷惑がかかる」 「嬉しいですわー、さぁ参りましょう」 鳴神がとても残念そうな顔をしていた、1ラウンド目を勝利したのだから仕方ない。 さも何もなかったかのように教室は騒がしくなった。 黒影と宇野が離れて会話をする様子を見ながら、クラスの女子達は色んな事を模索する。 『付き合ってるじゃないの?』とか『主従関係が出来てるんじゃない?』等と黒影からしてみれば散々である。 黒ショートヘアの銀縁眼鏡の委員長『双葉』と、でこが印象的な茶ストレートの元気っ子『八方』の二人もただならぬ危機感を感じていた。 「ねぇ、いつもの黒影くんなら…あんなに女子の言うことをすんなり聞かないよね?」 「そうね、幻夢は少なくとも何かしら暴言を吐くはず、本人に直接聞いてみましょうか」 「誰に直接聞くだって?」 「えっ!?」と双葉が振り向いたすぐ側に黒影が立っていた。 その表情はあまり芳しくはなく、疲労と苦労が滲み出ていた。 「黒影くん、もう宇野さんと話は終わったの?」 「あー…特に何も話してないよ、無視されたのが嫌だったみたいだ」
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