序章『覚醒者としての日常』

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「黒影、貴様は宇野さんと…どういう関係なの?」 双葉は恐る恐る聞いた、しかし黒影は即答だった。 「ハッ、何もねーよ、あってたまるか…」 「じゃあどうしてあんな言いなりに?」という八方の言葉で黒影の元気が無くなる。 「そうか…今の俺はそう見えてるのか…泣きたいぜ」 「えっ違うの?そしたら付き合ってるとか…?」 「おいおい…それだけは勘弁してくれ」 黒影の反応から二人は、さっきまで抱えていた危機感を消し去った。 と同時に、近くに宇野がいないかどうか確認する。 「あいつは怒らせるとすごーく怖いんだ、だから仕方なく、な…」 昼休みも終わりに近づき、生徒達は自分の席に戻り授業の準備を始める。 一応黒影は今のところは授業についていけている。 とはいえ頭が良いとは言えないところ、本人にとっては割と深刻な悩みだったりする。 その代わり、体育等の身体を使うような教科に関しては完璧とも言える。 クラス内で彼は『人ならざる眼を持った者』とも呼ばれている。 その由来として、格ゲーのプレイングが、『中段、投げが基本的に通らない』、『目押し、割り込みが異常』等の理由があげられる。 いずれにしたって嬉しい呼ばれ方ではない。
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