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その日の日程は終了し、生徒達は帰宅する。
ただし、一部の生徒を除いて。
帰らないのではなく、帰れない生徒がいるという事だ。
「幻夢さん、帰りましょうか」
「ん!?流石にそれはねーだろ」
ズンと、宇野の凄みが増した。
瞳が輝きを失い、表情の変化が乏しくなり、言葉に表せない恐怖が襲う。
周りで見ていた生徒達は、見てないフリをしてさっさと教室から退散していく。
結果、教室は宇野と黒影の二人だけとなってしまった。
「ほらぁ、もう教室には誰もいませんよ?」
「……ぐぅ…」
半ば引きずられるようにして黒影は連れていかれた。
学園地下、とある事情で学園から出る事の出来ない生徒の居住区になっている。
生徒全体の二割程度がこの居住区のお世話になっている。
意外と待遇も良く、欲しい物を申請すれば早く三日で部屋まで届く。
二人で一部屋割り当てられ、充分な広さがあり、生活には困らない。
そんな問題を探す方が難しいような部屋で、黒影はとても頭を抱えている。
「幻夢さん、今日の晩御飯は何にします?」
同居人が宇野だからである。
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