あなたの傍で

懐古

この夜は、愛理紗が退院祝いに祖母仕込みだという料理の腕を披露してくれた。

「後片付け、海斗よろしくね」

夕飯を食べ終えて直ぐに、嬉々としてネットで部屋を検索し始めたが…。

後片付けが済んでも、ぶつぶつ言いながら、部屋の間取りと睨めっこしており、放置された俺は面白く無いので、強引にパソコンから引き離し脱衣所に押し込む。

「横暴だ！ＤＶだ！」

暫くブーイングが聞こえていたが、急に静かになり、ドアが少しだけ開いて、チョイチョイと手招きしている。

「バスタオル、その他、必要な物は出してあるの使って」

と言うも、また手招き。

「着替え無いの？バック？」

また手招き。

「何が欲しいの？」

いきなりドアがバンと開いたかと思うと、

「手招きしたら来る！」

…あの～全裸で仁王立ち、されましても…ねぇ。