懐古

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狭い部屋ながらも、暫く留守にしていたので、愛理紗が出かけてから掃除したり洗濯をしたりしていると、愛理紗から電話がきた。 「か~い~と~」 何故に不機嫌? 「ゆきに、散々怒られたのよ」 うわ、怒りマークが見えそう…。 確かに、思い当たる節はあるが、口には出さない。 すると電話の向こうで、何やら携帯を奪い合う声がして、 「こら、カイ!」 思わず電話をポチっと終話。 直ぐに電話が鳴りだし、恐々出ると、 「コラ切るな! まったく…あんたらは猿か…」 「羽村、猿とは失礼な…」 「あんたね、今のヒメの状態知ってる? 体中に赤い印だらけだし、目の下に化粧してても解る程のクマ作って、講義中に居眠りするし、なのにカイの移り香だとかに妙に浮かれて、満たされた顔してるし…」 羽村は一気に話して、 深いため息ひとつ。 「ヒメの様子から、泊まるとは思ってたけどさ。 あのキスマークは確信犯でしょ? 更衣室で見てビックリしたわよ。このスケベ」 スケベで悪うござんした。
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