懐古

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羽村が、本当に心配してるのが感じられる。愛理紗は即決・即動だが、偶に性急になり過ぎたり、ブレーキが壊れた様に暴走しがちになる。 それを、俺に押さえて欲しいという気持が解るから、彼女の心配を素直に受け入れる。 「ゆきが、ヒメはカイにハマり過ぎてるから、カイとの逢引きは暫く禁止って。 レポートとか課題も有るから、忙しいのは確かなんだけどさ」 携帯を取り戻し、愛理紗はブツブツぼやいている。 こりゃ、一緒に住むなんて、羽村にバレたら大変だ。 それから二週間、本当に愛理紗は俺の部屋へは来なかった。 まぁ、その分メールや電話に写メが増え、まるで遠恋の状態が続き、俺も大学への復帰でドタバタしてたので丁度良かった。 何より、何か新鮮な感じだった。 そして二週間後の休日、愛理紗に指定された隣駅前にあるマクドで待っていると、 「ねぇ、私に逢えなくて、寂しかった?」 隣に腰掛け、俺の顔を覗き込む様に話し掛けて来た愛理紗、色と長さはそのままだがストレートにした髪に縁無眼鏡、そしてシックで落ち着いたスーツが、キャリアウーマン的な雰囲気で、正直ドキッとした。
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