714人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、俺はこんな時に何故か素直に成れない。
「待ち人来たらずか。
あっ、用事思い出したから帰らなきゃ」
言った瞬間、俺の腕をガシッと掴み頬をブーと膨らませると、自分のトレーに有ったプラスチックのナイフを手にして、
「このぉ、死んでしまえ」
と俺の脇腹を突いた。
「はい、死んだ死んだ、
当たり前の事聞くから…」
「だって、当たり前でも逢いたかったよ。って言って欲しいもん」
そんなイジケて見上げられたら…降参です。
「愛理紗とっても逢いたかった。
なんか今日の愛理紗、萌るわ」
「むふ、そうかそうか」
かなりご満悦な様子な所で申し訳無いけど、
ナイフ突き付けるのは止めて。
「そうそう!部屋決まったから見に行こう」
ちょ――っと待てい。
俺の意見は?何でもう決まってるの?
完全に、憮然とする俺のことをスルーし、手を引いて歩きだす。
部屋へは駅から5分位で着いた。
最初のコメントを投稿しよう!