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四日後、病室のベッドでうたた寝していると
「谷口さん?ですか…」
ん~、なんだ?
俺は、寝起きは素直じゃないぞ。
「名札に、谷口さんと書いて有りますね」
枕元を指差す。
「ゆき…えっと…
羽村さんからのお届けものです」
瞬時、思考がフリーズする。
マジ?マジで白衣だし!
俺は飛び起きた。
でも、この白衣って…
看護士じゃね~し。
しかも、どう見てもキャバ嬢が、医師のコスプレしてる様にしか見えないし…。
羽村のやつ、こんなのどっから拾って来たんだよ。
すると彼女の後ろから
「どう?いいお見舞いの品でしょう?」
ニヤニヤしながら、羽村がやって来た。
「この娘は、南雲 愛理紗(ナグモ アリサ)さん、で、彼が谷口 海斗(ヤグチ カイト)君ね。
愛理紗は、こう見えてこの大学の医学部の学生よ」
「ちょっと、ゆき!こう見えては余計でしょ。
私とゆきは同じ学部なの」
「マジ?見えねぇ…」
「ヒメはね」
「むぅ、それってかなり失礼だぞぉ」
「高校違ったから知らなかったけど、羽村も見え…」
「うるさい」と羽村が俺の頭に拳を落としながら、
「でも、ヒメは成績優秀だよ。見えないけど」
「ふん!いいもん」
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