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発売後すぐ爆発的なヒット商品となり、次々と改良型やら服やらで一種の経済効果をもたらした世紀のロボット。
しかし何故そんなものが別荘地で一人雪に埋もれ、そして食べもしないカップ麺を作っていたのか。
色々疑問を抱きはしたものの僕の口というやつはやっぱり上手く機能せず、僕はただ困ったように彼女を見つめることしか出来ない。
「あの……宜しかったら召し上がってください」
白い湯気を立ち上らせているカップ麺を指差してそう言った彼女の言葉に、あれは僕用だったのかと気付く。
そういえば寝坊したり暇が無かったり疲れていたりで、最近ろくな食事を摂っていない。素直に鳴った腹の虫を無視する必要はないだろう。
「……いただきます」
* * *
シュウシュウと音を立てる石油ストーブにあたりながら、ぼんやりとこの状況について考えを巡らせてみる。
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