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ようやく見えてきた祖父の別荘に自然と速まる足を止めるのは、小さな小さな違和感。
真っ白い景色の中うっかりすると見過ごしてしまいそうだが、確かにそれはあった。
目指す別荘の隣、広く空いたスペースにぽつんと何かが立っている。
木とか看板とかそんなもの……かと思ったら、どうやらそれは違うようで。
近付けば近付くほど人の形をしているように見え始めたのは、僕の思い違いだろうか。
「……ああ、そうか」
きっとマネキンだ、誰かが放置したまま吹き付ける雪に覆われていったのだろう。
少しびびりつつも近寄ってみると、思いの外その何かは身長が低かった。
一般的なマネキンよりもっと小柄で、けれど子供用よりは2周りほど大きい。
何の気なしに手でさっと積もっていた雪を払うと、その下からとても綺麗な少女の顔が現れた。
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