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「もう少し先の未来が見れたらええなあとか、このまま時が止まればええのに、って思ったことはあらへん?」 昼間だというのに静かな公園に男性の声だけが聞こえる。まわりの時が止まって、男性の話を生き物全てが聴いているようであった。 「それが出来る人がおんねん。」 男性はその“時の使い”を探して西から来たのだと麻衣に教えてくれた。“時の使い”は時間を早くしたり戻したり止めることまでもできるという。 「どうしてそんなに必死に探しているの?」と麻衣は尋ね、「あなたは時間を動かそうとしているの?」と続ける。 その言葉を聞くと一瞬であるが男性の表情が険しくなった。 「イエスかノーで言うたらノーやな」 そう言った男性はもう笑みを取り戻していた。男性が険しい表情をしたのは本当に一瞬のことであったが、麻衣は少し気に掛かった。 「まあ簡単に言うたら“時の使い”はうちの兄弟なんですわ」 なるほど、と麻衣は思う。これで時間を動かして欲しいわけではない人がわざわざ“時の使い”を探して西から来た理由がわかる。 「だからなんか情報もってへんかなーって‥古い情報でもええから知ってることあらへん?」
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