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何か伝えてあげたかったが麻衣は“時の使い”のことすら先ほど知ったばかりなのである。知っているはずがなかった。その旨を伝えると男性は残念そうに肩をおろす。麻衣が罪悪感を感じていると、その気持ちを理解したのか男性はまた八重歯をだして“おおきに”と言ってその場を離れた。 カランコロン 男性が歩くと下駄が鳴った。その音が段々と遠くなるのを麻衣は静かに聞いていた。
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