6人が本棚に入れています
本棚に追加
そして彼らは、目的地の診療所の廃墟に到着する。
「これが、廃墟か!?医院長は相当な、綺麗好きやったんやな。かなり良さそうな外観やん。それにしても、小さいのに立派な診療所やのぉ~。じゃあ、さっき俺が言った通り静香達はここで待機や。俺ら二人は、戦場を突っ走り彼らの殺し合いを止めに回り、この場所を教える。怪我人も来ると予想して、準備を万全にな!彼女も頼むわ。直ぐに意識取り戻すと思うけど。後は、飯も忘れずに。美味いの期待してるで」
彼女は彼を少し不安そうに見送りながらも、無理やり笑みを作りながら返答する。
「絶対に、無事に戻って来てね。戻って来なかったら、うちらの手料理ご飯は無し!準備は常に万全にしとくから。ねっ、麗奈!?いつでも彼らを連れて来て」
彼は不安そうな彼女を、そっと抱き寄せ呟く。
「静香、やけに不安そうやな!?無理に笑わんでも、不安なら素直に言えよ。俺は、絶対にお前を一人にさせねぇー。必ず、戻ってくる。約束や!しかし、暑いの。こんな糞暑い日に上着なんて、着てくるもんちゃうな。まぁ暑いのも当然か、まだ中にチョッキ着とるしな」
そして彼は、着ていた純白のスーツを脱ぎ彼女に預け、赤いネクタイを緩めながらずらして、防弾チョッキと思われる物を見せ付ける様に、黒いカッターシャツのボタンを外し胸元を開放する。
そして腰には、拳銃と散弾銃に加え鉄製の警棒がベルトに装備されていた。
「よっしゃ、いくで!大輝、準備は万全か!?」
彼は返答する。
「いつでも行けるっす!完全武装で準備万端っすよ」
彼女ら二人は、彼らに声を揃え呟く。
「死ぬんじゃないよ!絶対に、無事戻ってこい」
彼らは頷き、彼女らに見送られながら戦場の大地を突っ走り、診療所を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!