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結論。
屁理屈にもほどがある。
『願いを叶えないこと』を叶える。
……いやいや矛盾してる、矛盾してるって。
<ふん……世の中に矛盾しないものなどないのだよ……>
(訳知り顔でいうな。)
まぁ別に悪魔の顔が見えているわけではない(そもそも顔があるのかも分からない)のだが。
俺は苦言を呈しておく。
<人間は常に矛盾を孕んで生きている……だからこそ美しいと思わないか?>
(お前悪魔だろ。)
<酷い!悪魔だからって差別するのか!>
(いや、人間と悪魔を同視する方が酷いだろ。)
<もういい!私もう知らない!>
(無理して高い声だすな気持ち悪い。)
まぁ声といっても脳裏に響くよく分からないものだが。
<………>
反応がない。どうやらこれで会話は終了のようだ。
大方の予想通り、悪魔は身勝手だった。
悪魔という未知数の存在とこれから関わっていく。
悪魔という未知数の存在にこれから巻き込まれる。
オカルト、心霊、超常現象。
魔法、霊能、超能力。
天使、悪魔、神。
ありとあらゆる異常なモノを信じなかった(信じる機会が無かったともいえる)自分としては、未だに実感がない。
神に祈り。
仏に願い。
キリストの誕生日には浮かれ。
年の始めには賽銭箱に小銭を投げ込む。
俗にいう無神論者、しかし信じないのに何かにすがる……つまりは典型的な日本人であった自分には、そういったモノに耐性はなかった。
しかし、俺はそんな異常な状況に、違和感を感じなくなっている。
おかしなモノなんてこの世に溢れているし、それは曖昧なまま風化し、日常という果てしない果てのないどうしようもない自然に、侵食される。
日常とは、異常を食い潰し、人々に世界の当たり前を押し付ける。
だから、この遭遇は偶然に、俺に降りかかっただけの、世界の一面。
異常な偶然ではなく、正常な必然だともいえる。
こんなの間違っている、何で俺が、と頭を抱えても、世界にとっては間違いではなく正しいことなのだろう。
まぁ、とりあえず。
契約の代価を見つけよう。
只今午前八時二五分。
俺は歩く速度を上げながら学校に向かう。
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