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「べっ別に怖くないかんねぇよ!」
光は慌てたように言った。
「じゃあ行くよな?」
「あっああ!行ってやるよ!」
健人が挑発したように言ったので、光は行くと言ってしまった。
「ヨッシャ、決まり!他の皆はいいよな?」
「桃華怖ーい。」
桃華は怖がるフリをして明らかにブリッコをしていた。
「大丈夫だって。」
「じゃあ健人が守ってねぇ?」
「はいはい。」
「じゃあ桃華も行くー!」
「じゃあ決まりだね!いつにする?」
加奈がまた皆に聞いた。
「明日で良くない?場所とか時間とかはあたしから後でメールするわよ。」
怜子がそういう言い、皆納得して、今日は解散することになった。
「明日、楽しみだなあ。」
家に着いた加奈はウキウキしていた。
ピロリンと音がして携帯を開くと怜子からメールが来ていた。
メールには明日、町のはずれにある廃墟ビルの前に19時に集合と書かれていた。
わー廃墟ビルとかちょっと本格的かも。
怖そうだけど、楽しみだなあ。
加奈は携帯をパタンと閉じると、眠ることにした。
翌日、目を覚ましてからはなんとなくダラダラと過ごしてしまい、皆との肝試しをする時間まで迫っていた。
加奈は慌てて家を出て、廃墟ビルへと走って行った。
加奈はギリギリ時間に間に合い、集合場所にはもう皆集まっていた。
「もう加奈、遅いよぉ!」
桃華は可愛らしい頬をぷくっと膨らませて言った。
「ごめん、ごめん。」
加奈は苦笑いしながら謝った。
「はい、これ。」
「えっ?」
聡美にいきなり懐中電灯を渡されて加奈は間抜けな声を出した。
「それ、加奈の分よ。本当は1人ずつで回るはずだったんだけど、光があんまりにも怖がるから皆で回ることになったから、加奈にも渡しておこうと思って。」
聡美はクスクス笑いながら言った。
「やっぱり光怖がりなんだね。懐中電灯ありがとう。」
加奈も笑いしながら、聡美にお礼を言った。
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